
木々は紅葉して冬の装いへと変化してくる季節。
アンズやプルーンやスモモも落葉しはじめて来年のための養分を蓄積する準備をしている時期。
自然の恵みである天気……季節に関係なく気温や降水量や湿度などの環境の変化で急に花が咲かなかったり突然変異が起きたりと、市場でも予約注文していたお花が入荷がなくなると農家さんのご苦労を感じてしまいます。
今年はブドウの成熟にばらつきがあったように、秋果イチジクも食べ比べをして自然の恵みを感じていました。
色々な品種があるのに、ごく一部の品種しか流通しないイチジク。
イチジクはベランダ栽培も可能です。
《 秋果も美味しい無花果 》
イチジクは無花果……花が無いと書きますが本当はひっそりと見えないように多くのお花が咲いています。その見えないお花を受粉させるのがイチジクコバチ。日本にいないために、日本では受粉しなくてもよい品種が多く育てられています。
いつもよく食べるイチジクは、ドーフィン種。
家庭栽培は、なかなか手に入らない品種の完熟を美味しく味わえることが出来るので気になる品種を選んでみるのも楽しいでしょう。
☆イチジクのオススメ品種
・アーティナ
家庭栽培向き
皮は、淡い黄緑で香りの高い品種。
収穫は7月または8中旬~10月下旬
・ドリーミーフィート
チーズとの相性もよい白ワインと一緒にいただきたい品種。
皮は、緑~淡い黄色で果肉は白い。
収穫は9月
・カルフォルニアブラック
甘味が強く香りの高い皮ごと食べられる品種。
皮が紫黒で薄く果肉は赤。
収穫は8~9月の下旬
・バローネ
大きい果実が人気あり甘味も味も濃厚な品種。
夏果は甘味少なくさっぱりと……秋果は小さいが美味しい。
皮は淡い黄褐色。
収穫は8月中旬~10月下旬。
☆育て方のコツ
早く実るサイズの鉢が30センチ位のもの。ポット鉢は2年間育ててからでないと実りません。大きめな鉢は価格的にもポット鉢と比較すると4~5倍くらいしてしまいますがその後の管理が簡単になります。枝ぶりによっても価格が変わってきますので置き場所のサイズにあわせてお選び下さい。
植え付けは今の季節が最適。
買い求めたたら1週間位は、環境をならしてあげる事。根を触らずに植え替え。(挿し木のものは切り口に木工ボンドを塗って)
耐寒性がやや弱い品種は防寒、カミキリムシの防除が必要になります。
作業が必要なのは5月の芽かきと冬の切り戻し。
芽かきは勢いのよい枝だけ残して、こみあっている部分を剪定。切り戻しは、3節残してカット。
1年で1メートル位は伸びてしまうのでしっかり剪定してあげましょう。
置き場所は、日光のよくあたる場所。
7月~9月の強い日光の季節だけ半日陰に。それ以外は日当たりよくする。
肥料は、年に3回。
元肥え3月。実肥は収穫の果実の生育促進のため6月。収穫後の体力回復のためのお礼肥えが9月~10月下旬(品種により異なります)
肥料はカリが多い成分のものがオススメです。
日光の当たり方で花の咲き方と実り方がかわります。大きく育ってくると酸味が少なくなり糖度が増えてきます。
イチジクの白乳汁は、タンパク分解酵素が含まれるので痒みがおこる方がいらっしゃるのでゴム手袋をお使い下さい。
☆ ドライイチジクの楽しみ方
沢山収穫出来たら、ドライにしたりジャムにしたり半分にカットしてから冷凍もオススメです。
ドライフルーツのイチジクも大人気。
水溶性の食物繊維も多くカリウム、カルシウム、鉄も豊富で抗酸化作用や整腸作用、貧血予防など女性にうれしいフルーツ。
ドライフルーツで出回る品種は2~4種類位。
・ 小粒で固め品種で白ワインにあうイラン産のイチジク。
・ 甘味が濃厚で果肉が多く粒々感が美味しいトルコ産のイチジク。
・ ふっくらと甘味酸味が上品なギリシャ産のイチジク
・ さっぱりとした味わいでクセのない優しい甘味のカルフォルニア産の黒イチジク
そのままでももちろん美味しいのですがオススメは『 無花果ヨーグルト 』
☆作り方
材料
・無糖のヨーグルト 450グラム
・チアシード 大さじ1
・ドライイチジク 5~7粒
(大小あるので調整なさって下さい。トルコ産のイチジクが甘味が強く粒々感がオススメ)
イチジクを5ミリ角位にキッチンハサミでカットしたものとチアシードを入れて冷蔵庫に入れ12時間たてば出来上がり!
次の日に全体をよくかき混ぜていただきます。
甘味の強いトルコ産イチジクだと甘さをプラスしなくてもそのままで美味しくいただけます。甘さをプラスしたい方は蜂蜜やメープルシロップで……整腸作用を期待したい方は善玉菌のえさになるオリゴ糖をプラスなさってみて下さい。
相性のよいワインと一緒に……イチジクにプロシュートを巻いたものにバルサミコを数滴、ゴルゴンゾーラをイチジクにのせてピンチョスにしたり簡単おつまみで!
今の季節に植え込みなさると家庭で美味しいイチジクが楽しめます。なかなか出回らない珍しい品種を育てて完熟を味わってみては…………