
卯月はあらゆるものが生き生きとして、草木は芽吹き花が咲く季節。
一年草の種まきが始まるウキウキとする季節ですが、春の球根が満開になり…さよならの時期でもあります。
生徒さんやお客様から多かった球根類の質問…
☆切り花にして楽しみたい
☆いつ切る?
☆どのように?
☆花後はどうしたら?
などなど沢山いただきまして、ありがとうございました。
今回は、水仙の楽しみ方のコツをお話しをさせていただきますね。
《 ガーデニングで大切な花後のコツ 》
スイセンはヒガンバナ科スイセン属のお花で、原産地はヨーロッパ・地中海沿岸です。和名は『水仙(スイセン)』英名は『Narcissus』『Daffodil』と呼ばれいます。
ガーデニングや切り花として春を届けてくれるお花でもあります。
球根類は花後の管理がとても大切。
花後は花だけを切り、葉が枯れるまで水やりを続けます。
葉を切ってしまうと光合成ができなくなり、翌年花を咲かせる養分を作れなくなるので注意しましょう。
3~4年は植えっぱなしにした方がオススメですが、球根が混み合ってきたら掘り上げましょう。
(掘り上げは葉が枯れ、休眠に入る7月頃に。)
葉や根を取り除き、ネットなどに入れて日の当たらない、風通しの良い涼しい場所で保管してくださいね。
花をしっかり咲かせる場合は秋にリンが多めの緩効性肥料を与えた方がオススメですが、基本的には低メンテナンスで育てられます。
また夏の暑さや冬の寒さに強く丈夫なため放ったらかしでも大丈夫なので春の楽しむ花のひとつにくわえていただきたい球根のひとつです。
《 切り花で楽しむ時のコツは… 》
スイセン(水仙)の根元には白い筒状の部分があり、これを『袴(はかま)』と呼ばれます。
この袴は葉や茎などをまとめる役割を持っており、はかまを切り落としてしまうと葉っぱと茎がバラバラになってしまいます。生け花において袴は重要で、『スイセンは袴が命』と言われるほどです。
葉をつけたままスイセン全体の長さを調整したい場合は、いったん袴を外した上で茎や葉をカットします。切り終えたら、茎や葉をまとめて袴を履かましょう。そうすることで袴を切り落とすことなく長さを調整することができます。
袴が破れてしまうと一つに束ねることができなくなってしまうため袴を外す際は上から葉と茎をよく揉みほぐした後ゆっくりと下に引っ張りましょう。袴は乾燥すると破れやすくなるため、調整に時間がかかる場合は水につけておくと良いでしょう。
《 家庭で咲いた水仙を楽しむコツは??? 》
袴のお話しをしましたが…家庭で咲いた水仙を楽しむ時は、来年の事を考えて大切な葉をカットせずに花茎だけカットしましょう。
気をつけたいのは…
カットする時間
それは、早朝にカットする事が大切。
植物は葉から水分を放出(蒸散)しており、吸水量より蒸散量が多くなると、しおれてしまいます。早朝だと花の失う水分量が少なくてすむのでお花がとっても長持ちします。
《 気をつけたい水仙の毒 》
スイセンは切り口から粘液が出てくるお花で、粘液を処理せずに生けてしまうと花瓶の水にとろみが出てしまいます。他のお花も一緒に生ける場合その水がお花の持ちに影響を及ぼしてしまうこともあるため、切り口をカットした後は切り口を洗い流しましょう。
コツは、しばらく他の花器などに入れてお水に浸し切り口付近のヌルヌルがなくなってから花瓶に生けるようにするのがオススメ。
スイセンは可憐なお花が非常に可愛いお花ですが、花や球根や葉も含めて全体に毒を持っています。触れる分には特に問題はありませんが、口にすると食中毒になり、最悪死に至ることもあるため、口にしないよう気をつけましょう。
私の大好きな水仙は、透明感のある美しい雫咲きスイセン・タリアが私の大好きなスイセン。
スイセンタリアは白い花びらの雫咲きスイセンで、ややうつむき加減に開花し華奢な印象のスイセンで、英語名では「Angel’s tears(天使の涙)」。
とっても美しい水仙なのでオススメ品種のひとつです。
ぜひ!お気に入りの水仙を見つけてガーデニング&切り花で楽しまれてください。
今年は早めに桜前線が北上中で北国の名木に会いたくなりますね。皆さまが素敵なお花見ができますように…